幼いころから、きらきらと輝くものや、細かくて繊細なものに心惹かれてきました。
図録や画集をめくっては、その世界に想像を巡らせる日々でした。

なかでも強く印象に残っているのは、
徳川美術館で見た三代将軍家の姫君「千代姫」の婚礼調度と雛道具。
その繊細ながらも豪華絢爛な品々に心を奪われ、
自分のお雛様にもこのような道具を用意したいと思って雛道具を作ったことが、
いちばん古い「つくる記憶」です。

蒔絵貝桶を、フィルムケースと金の折り紙で再現しようとしたり、
絵の具を塗った爪楊枝とかまぼこ板で、初音の調度の棚飾りを組み立てようとしたり。
小学校に上がる前後のことなので、使える道具も素材も限られていましたが、
夢中になって作っていたことを今でも覚えています。

それ以降、紙や木、石、ガラス……
身の回りの素材を使って何かを作ること、表現することは、
いつも私の中心にありました。

美術館や工芸館、職人の実演コーナーに足を運び、
先人たちの美しい手仕事に触れるうちに、
人の手が生み出す造形美、その可能性に、どんどん魅了されていきました。
そうしてものづくりの世界を知れば知るほど、
作ることへの衝動と、自分の手でものを生み出すことへの喜びが大きくなり、
気づけば、「見る側」ではなく「作る側」でありたいと強く思うようになりました。

その思いから、京都で伝統的な金属加工技法を学び、
現在は自宅の小さなアトリエで、糸鋸と金槌を手に、金属を加工しています。
幼いころに感じた、輝くものや繊細な物へのときめき、
そしてそれらを生み出す人の手へのあこがれは、変わらずずっと、私の中にあります。

美しい自然の情景を落とし込んだ造形、
飾っても身に着けても楽しめる装身具、
時を重ねるごとに変化してゆく金属の表情。

日常の中に非日常を差し込む、そんな作品を届けられたらと思いながら、
一つ一つ丁寧に制作しています。
私の作ったものが、あなたの生活に小さな彩を添えられますように。

活動履歴

2025
 アート&てづくりバザール出展
 神戸ハンドメイドマルシェ出展
 京都伝統産業ミュージアム実演

2023
 クリエーターズマーケット出展
 神戸ハンドメイドマルシェ出展
 ハンドメイドインジャパンフェス出展
 シャプレ委託販売
 クリエイト・コラボレイト3参加

2022
 京都ハンドメイドマルシェ出展
 クリエーターズマーケット出展
 神戸ハンドメイドマルシェ出展